事業再生に影響する清算所得課税の廃止

平成22年10月1日より、清算所得課税を廃止し、通常の所得課税に移行します。

現行の法人税法では、会社が解散して清算する際には、清算所得に対する法人税を課するとし、残余財産に課税する、財産課税方式が採用されています。つまり、残余財産が確定した段階で、解散時の資本金等の額と利益積立金額を控除した差額が清算所得として課税対象となり、その差額がプラスにならなければ税金は生じないということになっています。

債務免除益を例に考えてみますと、繰越欠損金が十分にない場合には、債務免除のタイミングが解散前であれば、債務免除益として課税の対象となりますが、解散後であれば、債務免除自体は清算所得の計算に影響を与えません。よって、債務免除が解散の前か後かで税額に大きな影響がありました。

今回の改正で清算所得課税方式は廃止され、通常の法人所得課税に移行することになります。債務免除を受けるような場合、解散を決議した後であっても、改正後は課税が生じることもあり得ることになります。 一方で、会社が解散して残余財産がないと見込まれる場合は、期限切れ欠損金額を損金に算入するという取扱いが措置されます。これにより、解散決議後に債務免除益などが多額に発生するようなケースでも、課税問題が発生しないというケースも多いと思います。しかし、過去に銀行対策等で決算書が化粧されており、欠損金がその分過小に計上されている企業も多いのではないでしょうか? 欠損金額が少ないために、債務免除益が相殺しきれないようなケースでは、過去の申告書を変更する、更生の請求や更生の嘆願ということも検討する必要があるかもしれません。


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公認会計士 舟生 俊博

略歴: フューチャースケープアカウンティングファーム 代表 公認会計士・税理士 平成5年公認会計士2次試験合格。平成9年公認会計士登録。 東京理科大学・工学部卒業後、監査法人勤務後、平成12年1月横浜にて独立開業。ベンチャー支援、創業支援を行うなかで数百社の事業計画作成にかかわる。投資家とベンチャー企業とのマッチング等を行うイベントを主催するとともに横浜市の各種委員としてベンチャー支援を行う。また東証1部上場企業の監査役就任など、企業経営に参画する形での企業の成長支援を行う。平成20年、事務所を東京都港区に移転しフューチャースケープアカウンティングファーム設立に参画、共同代表に就任。 ◆会計力で未来を描く FSAF Futurescape Accounting Firm 会計・税務・財務アドバイザリーサービス 税理士法人フューチャースケープ 公認会計士事務所フューチャースケープ 株式会社フューチャースケープパートナーズ 〒108-0074 東京都港区高輪4-9-18 TEL03-5423-0668 FAX03-5475-3546 http://www.futurescape.co.jp