株主責任を明確にする100%減資

JALの再生という話で100%減資という方法がでてきています。全株式(100%株式)を減資でゼロにするということですが、そもそも減資とはなんでしょうか?なぜ100%を減資するのでしょうか??

株式会社は、投資家からお金を集めて事業にあてています。

投資家からみると会社が発行する株式を購入することで投資家になっています。つまり会社の一口オーナーになっているということです。

会社はこの仕組みを使って、事業資金が必要な時には株式を発行して資金を調達します。これは増資という手続きで、会社の資本金を増やします。

逆に資本金を減らす手続きがあります。これを減資と言います。

事業縮小等で資金が余ってきた場合に株主にお金を返すために減資が行われることがあります。

しかし、減資が活用されるのは、株主にお金を返還しないで、過去の損失を穴埋めするために行われるような場合です。会社が出した損失は、会社のオーナーである株主に責任をとってもらおうということです。

特に顕著な方法としては100%減資といういうものがあります。既存の株主の投資額全額をいったん無くすというものです。これは100%減資の直後に増資を行い新たな株主を募って、新オーナーのもとで会社をやり直すという利用をします。

例えば、事業再生の場面では、多くの債権者(銀行など)に債務免除を依頼します。この際、債権者が損を出して会社再生に協力するのだから、会社オーナーである株主も債権者以上に責任を取ってください。というような発想です。

JALの再生案が検討されていますが、金融機関が大幅な債務免除に応じて、税金を利用した国の援助も検討されている状況で、株主責任としての100%減資も検討されているようです。

個人株主としては、会社オーナーであったとか、株主責任だといわれてもピンとこない人も多いと思います。JALというブランドが好きだから、JALをよく利用するからという顧客の視点での株式を買ったという感覚でしょうか?顧客の視点や、JALで勤務している現役従業員や勤務していた企業OBの労働者の視点から会社をみることが多い日常ですが、株主(会社オーナー)の視点から会社をみると、株主責任や100%減資も見え方が違うのではないでしょうか?


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公認会計士 舟生 俊博

略歴: フューチャースケープアカウンティングファーム 代表 公認会計士・税理士 平成5年公認会計士2次試験合格。平成9年公認会計士登録。 東京理科大学・工学部卒業後、監査法人勤務後、平成12年1月横浜にて独立開業。ベンチャー支援、創業支援を行うなかで数百社の事業計画作成にかかわる。投資家とベンチャー企業とのマッチング等を行うイベントを主催するとともに横浜市の各種委員としてベンチャー支援を行う。また東証1部上場企業の監査役就任など、企業経営に参画する形での企業の成長支援を行う。平成20年、事務所を東京都港区に移転しフューチャースケープアカウンティングファーム設立に参画、共同代表に就任。 ◆会計力で未来を描く FSAF Futurescape Accounting Firm 会計・税務・財務アドバイザリーサービス 税理士法人フューチャースケープ 公認会計士事務所フューチャースケープ 株式会社フューチャースケープパートナーズ 〒108-0074 東京都港区高輪4-9-18 TEL03-5423-0668 FAX03-5475-3546 http://www.futurescape.co.jp